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卵子の劣化
2012年6月23日放映のNHKスペシャルをご覧になった方も多いでしょう。テーマは「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~」。私は、思わずノートにメモしながら番組を観ました。
簡単に紹介すると、日本では不妊に悩む人が驚くほどのスピードで増えていて、体外受精の実施回数は年間24万件、不妊治療を行う医療機関の数はおよそ600軒で、どちらも世界最多の「不妊治療大国」になっているそうです。
その背景にある重要な要因が、卵子に関すること。
卵子のもととなる卵原細胞は、生まれる前から体内にあり、その後新しく作られる事はないといいます。受精してから8週間たつと女性の胎児は、約60万個の卵原細胞をもっていて、受精後20週目に、その数は700万個になります。産まれる時には、100万個、思春期には40万個に減っていきます。この中から排卵される卵子は、たった400~500個です。700万個の中の一つ一つが私たちの源であることを考えると、この世に誕生する生命が奇跡的なものに思えます。そしてお母さんがお腹に女の子を宿した時、その子の中で、お孫さんとなる卵原細胞を一緒に育てていることになります。妊娠というのは、母子の間だけではなく、母子三代にわたる生命のリレーといえるでしょう。
この卵子が女性が歳を経るごとに同じように歳を重ね、30代後半を過ぎた頃から質的に変化し、妊娠しにくくなるのです。このことを「卵子の老化」と紹介していました。不妊症の割合は、20代では10%未満、30~34歳で15%、35~39歳では約30%に増え、40歳以上では60%を超えてしまいます。卵子の老化が原因の不妊は43%と、年齢のために妊娠しにくい女性がとても多くなっているのが現実です。
日本は、急速に少子化の進む国となっています。その原因には、女性の社会進出や育児環境の問題、社会構造等々いろいろ言われており、いくつもの原因が複雑に絡み合った結果の現象だろうと思いますが、「卵子の老化」によって妊娠の可能性が低くなることを、多くの若い人が知らない事実もこの現象を後押しする要因となっているように思えてなりません。
以前は、初産が30歳以上の場合、マル高と呼ばれ、高齢出産を現わしていました。それが、いつからか35歳以上に変更となり、マル高という呼称は、差別的用語とかで、使われなくなったようです。こうした言葉が、みんなの意識にあれば、「子供を産むのは、マル高になる前に」という共通の認識が持てていたのではないでしょうか?
『黄帝内経』には、女子は14歳で、生殖現象を起こさせる自然の巡りがやってくるとあります。そして、21歳で腎の精気は平均すとあり、腎の精気が非常に充実してくると書かれています。古代の人の記述とはいえ、人間の生理現象の基本は、今もほとんど変わりない物と思います。この時代は、現代社会とは、社会構造や教育制度、就業に関すること等、条件があまりに違い過ぎるので、古代生活をそのまま実現するわけにはいきませんが、人間の成長のその時々に旬とも言える適齢期があります。その時期を逃すと必要以上の努力が要求されます。人生のイベントを自然に順応させる意識を持つことがとても重要なのではないでしょうか?
将来出産を望む方は、若いうちから健康管理に気を配り、先人の知恵・経験を生活に取り入れる工夫が必要だと思います。冷え性があったり、月経の不順があったりという未病の状態を放っておかずに、違和感のない状態を維持できるよう、事前に手当てすることが大切だと思います。このことは、出産に限りません。健康であることがなによりの準備であり、病を未然に防ぐことになります。男性も同様です。
そのためにも日頃から吸玉を利用し、全身の血液循環をよくしておくことが基本となります。日常生活の時間を上手にやりくりし、積極的に吸玉をかけましょう。例え検査数値に異常がなくても、自覚症状があったり、気になる反応がある場合は、予防の意味も含めて自分の体調と生活の見直しを図りたいものです。冷え性がある場合には、下肢の胆経、腎経、膀胱経の治療に加え足湯黒酢が大変有効です。北海道で不妊を克服した方は、皆様が足湯黒酢を積極的に取り入れた方たちです。末梢の血液循環をよくし、気のめぐりを改善するためにとても効果があります。
2007年11月25日の読売新聞に『~「足湯」による温熱治療で拡張型心筋症が改善~「足湯」による温熱治療で、心臓移植を待つ患者の心臓血管機能が改善することが、国立循環器病センターの研究でわかった。体の深部の温度が上がって末梢血管の血流がスムーズになることで、心臓のポンプ機能への負担が軽減するらしい。』という記事がありました。42℃で15分間温め、30分間保温する治療を二週間実施したところ、拡張型心筋症の20代男性が心筋に酸素や栄養を送る血管の広がりやすさ(血管内皮細胞)が正常値まで改善し、歩く速度も速くなったそうです。また、40代男性はやはり血管内皮細胞が正常値になり、夜熟睡できて不安感が消えた、とのコメントを残しています。この研究では蒸気の出る足湯器を使用していますが、足湯黒酢の場合には温熱効果に加えて、アミノ酸の浸透効果が期待できます。冷え性のみならず、心機能の改善も期待できる足湯。手軽にできる健康法ですから、予防に健康管理に大いに試していただきたいと思います。
卵子に限らず細胞は老化します。最近は、エイジングという言葉が使われてイメージが変わってしまい、老化することの意識が少なくなったように思います。細胞を若々しく、健康に保つために、「細胞を構成しているのは、20種類のアミノ酸」という明快な事実を忘れることがあってはなりません。そして、そのアミノ酸は同時に揃わなければ細胞となりません。このこと一つとってみても、20種類以上の天然アミノ酸を含有する霧島黒酢のアミノ酸エキスの補給が健康を維持することに大きく貢献できることがわかります。。
株式会社サウンドライフ 吉川泰生
季刊情報誌「霧島黒酢通信Vol.2」より