吸い玉をすると普通は皮膚に赤黒い色が現れますが、これは皮膚表面の近くに集められた赤血球の色です。
近年ではスポーツの中継でも吸い玉の治療跡を目にすることが増えて来ていますが、そもそも吸い玉をすると必ず赤い跡(色素反応)が出るのでしょうか?
治療のしるしを見てびっくりしたことがあります!
どうして、こんな治療で効果があるのですか?
吸い玉治療でカップを外した後に皮膚が赤くなっていることが多いので、その印を見て驚かれたのだと思います。
それは吸い玉で治療した証であり、体の自然な反応なのです。
では、なぜそのような反応が現れるのかを説明しましょう。
皮膚には外界から体内をまもる保護作用、体温を調整する働き、不要なものを排泄する役目などがあります。この皮膚にカップを吸いつけ、二酸化炭素を強制的に体外に排出して新鮮な酸素を取り込みやすい状態をつくるのが、吸い玉療法の第1の作用です。
吸い玉をすると普通は皮膚に赤黒い色が現れますが、これは皮膚表面の近くに集められた赤血球の色です。
実際には、赤血球だけでなく、他の血液成分や血管、細胞、細胞間にあるものなどが膨らみ、皮膚表面まで押し上げられています。
その結果、カップを外すと一時的に膨らんだ血管内に血流が甦り、以前に増して盛んな流れをつくります。
これが血流改善をはじめとした細胞の活性化につながるわけです。これが第2の作用です。
新たな血液の循環は、新鮮な酸素と栄養素を運び込み、不要な炭酸ガスや老廃物を回収してくれます。この結果、体内の環境がよみがえります。
初めて吸い玉をされる方は、治療による色素反応を敬遠されがちですが、この色はいつまでも残るわけではありません。
普通は4日〜7日程度で消えますし、この反応を出すことが治療にもなっています。
吸い玉治療を繰り返して健康になってくると、自然に薄い健康色のピンク色になり色は出なくなります
色素反応は健康状態を表してくれるバロメーターでもあるのです。
色がでるのは不健康な証拠ですか?
東洋医学には瘀血(おけつ)という考え方があり、色素反応が出るところには、この瘀血があると考えます。瘀血というのは、体の一部にとどまって動かない異常血液の意味で、東洋医学では、この瘀血があらゆる病気の原因と考えています。
ただ、血液や血液循環の障害には、さまざまな状態があります。一口に血液循環のとどこおりと言っても、渋滞して詰まっている状態もあれば、虚血的な(血流が失われているような)状態もあります。また排泄されずに滞っている疲労物質や、不要物質の種類や程度も違います。そのため、吸い玉によって現れる色の具合も人により場所により様々です。色の濃淡だけなく、ムラになったり、あるいは固くなったり、水疱(水ぶくれ)が現れることもあります。
吸い玉療法では、これらの反応の現われ方(色素反応)を9種類に分類しています。ピンク色の「健康反応」以外は、良くない反応とお考えください。
すると吸い玉療法では、色素反応を見ることで分かる事があるわけですね?
はい。吸い玉をするということは、「治療であると同時に体調の確認もしている」ことになります。
色素反応は血液や血液循環の様子を反映していますから、体の状態を推測することが可能です。
しかも、目で見て確認できる、誰にでも分かる、というところに大きな利点があります。
治療のしるしを、内出血だという人もいますが…?
打撲などによる内出血とは違います。内出血だと言って患者さんを叱るお医者さんもいるそうですが、たいへんな誤解です。吸い玉療法を用いている医院もありますし、医学会での発表もおこなわれています。単に、吸い玉療法の原理を知らないからにほかなりません。
実際に吸い玉療法をおこなうと、よほどの病人でない限り、どこもかも真っ黒な反応(色素反応・大)が出るということはありません。同じ強さ、同じ時間の吸着をしても反応の現れ方が様々であることは先ほど申し上げましたが、良くない色素反応は、その人の病気とかかわりある場所にしか現れません。悪い色素反応が現れた場所には、病気の元があると考えてよいのです。
「瘀血」という考え方について、もう少し聞かせてください
私たちが呼吸や食事、排泄を必要としているように、私たちの全身の細胞も呼吸や食事、排泄を必要として生きています。そして細胞に酸素や栄養素を運び、不要な炭酸ガスや老廃物を回収しているのは血液です。その他、血液はホルモンや免疫にも関係しています。つまり、血液は生命を維持する全身の細胞にとってもっとも大事なものなのです。
ですから、血流がとどこおると体内の環境は悪化し、生命力は低下してしまいます。新鮮な酸素も栄養も少なく、ゴミだらけ、有害物質だらけ、といった環境では病気になっても不思議ではないでしょう。この瘀血が血液自体や周辺細胞に影響を及ぼし、体を不健康な状態へと向かわせます。瘀血は病気の温床となるだけではなく、その存在じたいが病気そのものと言ってもよいでしょう。病原菌が原因とされる病気でも、病原菌があるから発病するのではなく、瘀血の存在によって生命力(自然治癒力)が低下しているから病原菌に侵され発病する、という考え方をします。
私達は、いくら薬で消毒したり殺菌したしても、瘀血を解消していなければ、いつまでたってもほんとうの健康にはなれないと考えます。たとえ手術をして病変部を切り取ったとしても、その後の瘀血の発生を食い止めない限り、また再びということになるかもしれません。したがって、瘀血を常につくらないようにする。そしてまた、できてしまった瘀血は速やかに解消する。これが健康への基本になります。そしてこの瘀血を、物理的な方法によって解消する最も優れた方法が「吸い玉療法」であると私たちは考えているのです。
しかし残念なことに、現代の医学には瘀血という概念が欠けてしまっています。正常な血液との違いは解明されてきているのですが、公には認定されていないというのが実情です。