※当記事は1995年7月15日に読売新聞にて掲載された内容を抜粋したものです。
アトピー性皮膚炎の治療法として、脂肪や糖類の摂取を控える食事指導とビタミンC、ベータカロチンなど抗酸化物質の投与を組み合わせると、重症疾患が著しく改善されることが鹿児島大医学部の研究でわかった。
これまで治療した約二百例のほぼ全員で効果をあげており、患者には朗報となりそう。14日、都内で開かれた日本ビタミン学会の会合で発表された。
発表した(中略)研究チームは、栄養学的な問題から免疫機能が異常になっているのではないかと想定、多数の患者らの血液などを調査。
アトピー性皮膚炎の患者では正常な人に比べ脂肪や砂糖の代謝能力が落ちており、過剰に摂取していることがわかった。
また、炎症は体内に生じた活性酸素によって起こるとされるが、患者ではこの活性酸素と除去する酵素の働きが弱いことも判明した。
このため研究チームは、患者に対し、植物性の脂肪と砂糖、たまご、牛乳の摂取を控え、魚や野菜を多く食べてもらうよう食事指導。
さらに活性酸素を除去する抗酸化の働きのあるビタミンC、ベータカロチン、ビタミンE、ビオチンなどの服用を、三ヶ月から五ヶ月間続けてもらったところ、症状が著しく改善した。
代表的な治療法のひとつであるステロイド投与で効かなかった難治療性の患者に対しても、この方法は顕著な効果があった。
アトピー性皮膚炎の治療としては、抗原となるダニなどの除去や抗アレルギー剤などの薬物療法があるが、すべての人に効果的な方法は見つかっていない。(後略)
※このコンテンツは当時の記事を抜粋していますので、最新の情報ではありません。